ヴェバライズ

 ちなみに僕はシンゴジ結構好きです。キャラがみんな早口で話しているところが良い。

 

 ゴジラ怪獣惑星を初日で観てきた。最近度々映画を初日に観ることがある。タイムラインで流れてきたツイートから影響を受けて観にいくのも勿論楽しく、自身が現在の上映作品をサッと眺めたところでは見落としてしまったような作品を拾い上げることが出来るのは、やはりとてもありがたいことだなと思う。しかしやはり観たいと思った映画については初日に観てタイムラインの感想ツイートと自分の感想をにらめっこさせるのが楽しいんだよね。

 

 結論から言われて貰うと、まあまあ悪くないです。学生のテストに例えると、100点満点のうちココは正答出して欲しいって40点部分は全部合ってるんだけど、他が全て致命的なので落単みたいな感じ。でも本当に答えて欲しいところは全部答えてくれてるから下駄履かせちゃう!的な雰囲気だった。ゴジラがマジやる気ねえクマみたいな顔でこっち観てる時とか本当に悲しい気持ちになるんだけど、それでも熱線(?)のシーンとか、ラスト周りとか、ほんと良いところは良い。しかし、冒頭のタイトル挟んで映像使い回される辺りとか、ゴジラ誘導してる時のまんねり感とか、後キングコングの方がよっぽど面白かった危険領域に進む周りとか、テストの問題の間違いに0点ではなくマイナスが付くならそれこそぶっちぎってしまいそうな点があまりにも辛すぎた。

 ただ、それでも冒頭の繰り返された移民船周りのシーンに込められた意図はわかる。おそらく冗長だと分かった上であえて繰り返された演出だ。というのも、この作品の世界観は既存のゴジラ作品を大いに取り込んでおりとても面白い。出演する異星人の元ネタからも、未だなお純粋な人類の味方ではないことは伝わってくる。おそらく2作目の後半か3作目に生きてくるシーンのために、芳しくない反応であろうとあえて記憶に残るよう配置されたように感じた。

 

 この作品が僕を悩ませたのは、これがとても退屈な映画であったにも関わらず、とにかく続きを観たいと思わせてくれた点だ。先述したように、この作品の登場種族には元ネタがある。2作目に映るあの機影、そして本編未登場のあのメタルになったりするやつとあの金色のやつ、そして原作でこいつらを操っていたのが誰かを考えれば、おおよそこの後の2作の流れは予想出来る。容易に予想出来てしまう今後の展開が、しかしあまりにも楽しみで仕方ないものなのだ。

 ゴジラ怪獣惑星は単品の映画として観れば確実に駄作だと思う。しかしアニメーションだからこその舞台背景や映像(微妙なシーンも多かったが、その反省はきっと次回作以降に生きるだろう)、3部作の1作目としての果たした役割を考えれば、それはあまりにも上出来過ぎる。だからこそ、初日に観に行ったのは今回ばかりは苦しすぎる。何故よりにもよってその楽しみな続編から最も遠い日にこの作品を観てしまったのか。2作目までに是非観て欲しいが、映画館で金を払って観ろとは言えない。そんな作品だった。

 

 あと今更ブレードランナー2049も観てきたのでこちらについても書く。

 見た後space catみたいな表情になってしまい、鑑賞して何かを感じたがそれが何なのかを理解するのには3時間かかった。結論から言って、名作だと思う。

 ブレードランナー2049は、ブレードランナーの良い点も悪い点もしっかり拾いきれていると僕は思う。テンポ悪く感じる場面の進行も、ああブレードランナーもこうだったなぁ。ホラー映画みたいなBGM流しながら別にホラーはしないやつね、と感じるように。ただ、それを面白いと取るかそうでないと取るかは見た人間次第だ。この作品は過度に神格化されてると僕は思っており、すなわち欠点を美点と取ってしまえば何だって無敵だ。僕はブレードランナーを3回見て1度も面白いとは思わなかったが、最後の2人のレプリカントが人間以上のスペックを持ちながら、しかし人間以上に感情を露わにして主人公と戦ったり、対話したり、人を殺害するシーンには考えさせられるものがある。人間以上に人間らしい人間でないものが現れた時、人間の定義とは果たして何なのかというのがブレードランナーのテーマだと僕は思っているが、本作はそれをしっかりなぞり、主人公も最後に誇りを感じたようにそれを果たす。ライアン・ゴズリングは本当に良い演技をしていたと思うし、言葉少ない主人公の心境を上手く表すことが出来ていたと思う。ブレードランナーの続編がブレードランナーであるという点について、今作は間違いなく傑作と言える。

 しかし、それはあくまでその点においてであり、単純な作品として見たときの評価は全く異なると思う。30年近く経てばそれは映像技術は進むが、しかしこの作品で新しく感じたものは何もない。綺麗な映像、しかしそれだけだ。冗長なテンポ、退屈だ。VR彼女、最高だ。

 後半大きなジョイに話しかけられた一連の主人公の表情など最高な点は多かったが、あくまでそれに留まったように思う。ブレードランナーが何故評価されたのかを考えれば、今作はブレードランナーファンには評価されるがブレードランナーである故にブレードランナーのようにはならないだろう。

 

 今年はもう映画を観に行く予定はない。去年は結構映画見て良かった良かった言ってた気がするが(劇モニから目をそらしながら)、今年はどうもそうはいかなかったように思う。去年や2年前あたりに面白かった作品の続編が次々と公開されそうなので、来年の映画は楽しみにしたい。書いてて楽しかったのでまた映画の記事書くと思います。じゃあまたね。